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コラム COLUMN

オープン戦首位打者は活躍できるのか タイムリーdata vol.23

小林 展久

 シーズン開幕まで残り3週間ほど。各チームはキャンプを打ち上げ、ペナントレースに向けて実戦で仕上げていく段階に入りました。今回はオープン戦で好結果を残し、首位打者を獲得した選手について紹介します。

苦しんだ選手たち

 最近3年のオープン戦で首位打者となった選手は右記の3名。しかし、春先の段階で打率2割前後と低迷し、オープン戦での好調をシーズンにつなげられませんでした。要因としては、対戦相手が必ずしもレギュラーシーズンの一軍レベルにないことや、早めにピークをつくってしまったことが考えられるでしょう。オープン戦の成績が選手の実力と見込むには、打席数が少ないということもあり、考慮する必要があるかもしれません。

 確かに彼ら3人は、その年に良いシーズンを送れませんでしたが、かといって悲観することはありません。ここでオープン戦首位打者の歴史をもう少しさかのぼってみましょう。

過去のオープン戦首位打者は実績十分

 ここからは2000年以降でオープン戦首位打者となった選手の成績を見てみましょう。00年のイチローはこの年がNPBでの最終年。すでに6年連続首位打者と十分すぎる実績を残しており、この年はパ・リーグ記録となる打率.387で7年連続のタイトルを獲得。メジャーへと活躍の舞台を移し、MLBでも10年連続打率3割を打ちました。

 イチロー同様にメジャーへ移籍を果たした選手では福留孝介岩村明憲中島裕之、青木宣親もオープン戦首位打者になっています。特に中島は首位打者となった06年に初めて打率3割をクリア。それまでもショートのレギュラーとして活躍しましたが、このシーズンからの7年で6度の打率3割を記録と、巧打者の才能を発揮させています。

 十分な実績を残していなかった選手でも、中島のようにのちに活躍を見せたのが浅村栄斗でしょう。オープン戦首位打者となった2年後の13年、打率3割に加えて打点王に輝く活躍を見せています。このように、オープン戦で首位打者となった選手は、それ以降にチームの中核として活躍する選手ばかりなのです。

オープン戦首位打者の将来性は十分

 2000年以降のオープン戦首位打者の内、打率3割をクリアした実績を持つ選手は、14年に達成した畠山和洋を加え、15人中12人となりました。

 昨季の松山竜平は膝の負傷で規定打席に届かなかったものの、打率.318を記録。井上晴哉は打率2割台前半とプロの壁にはね返されましたが、二軍では打率.377と圧倒的なバッティングを披露しています。ともに飛躍の可能性を秘めている、といってもいいでしょう。

 活躍を期待できるといっていい、彼らに続くオープン戦首位打者になるのは誰になるのか。そして松山、井上の2人も打率3割の仲間入りを果たせるでしょうか。オープン戦首位打者たちの未来に期待してみましょう。