TODAY'S HOT
  • 1992年7月13日 Happy Birthday!! 森脇亮介(西武) 28歳
  • 1955年7月13日 国鉄が1試合最多得点(=22)、最多安打(=25)、最多打点(=21)を達成。 (vs.広島)
  • 1992年7月13日 Happy Birthday!! 高梨雄平(楽天) 28歳
  • 1977年7月13日 王貞治(巨人)が通算5000塁打を達成。 (vs.中日)
  • 1994年7月13日 近鉄が1試合最多塁打(=52)を達成。 (vs.ロッテ)
  • 1985年7月13日 Happy Birthday!! 内竜也(ロッテ) 35歳
  • 1999年7月13日 Happy Birthday!! 田中瑛斗(日本ハム) 21歳
コラム COLUMN

今年急激に本塁打が出やすくなったのは、やっぱりあのドーム!

上原 早霧

返ってきた「ナゴヤで強い中日」

 今季のセ・リーグは連戦・連勝が多く、現在混戦模様です。このところ低迷していたDeNAが首位を走り、逆に下馬評の高かった広島が出遅れていて、開幕前にこの状況を想定できなかった方も多いのではないでしょうか。
 ところで、今年の多くのチームにはとある特徴があることをご存知でしょうか。

 上図は、最近10年間(以下、今年の成績は5月14日終了時点のもの)のセ・リーグのチーム成績を表したグラフです。横軸に本拠地球場での勝率を、縦軸にそれ以外の球場での勝率をプロットしています。例年多くのチームにとって本拠地の方が勝率が高くなっていますが、特に今季はその傾向が顕著に表れています。
 最も際立っているのは中日で、ナゴヤドームでは13勝5敗と滅法強い一方でビジター7カード中6カードで負け越しと、極端な結果になっています。これはリーグ優勝を果たした2010年に話題にあがっていましたが、去年までのセ・リーグ全体を見ても、それ以来の傾向です。中日がナゴヤドームを得意とする要因としては様々挙げられますが、広いナゴヤドームを本拠地とするようになって以降、戦術面・編成レベルから「守りのチーム」を徹底してきたからと言えるのではないでしょうか。ナゴヤドームではホームランが出にくく、外野手は守備範囲が広くなります。それを利用して、投手や好守強肩の外野手を中心にチーム編成を行い、ロースコアでの試合を行うチームカラーになっています。

 なお、今季のパ・リーグ6チームに関しては、すべて1割程度の勝率の差に収まっていました。いずれにしても今年はホーム・ビジターとも高々二十数試合消化したところです。シーズン終盤になっても地の利を大いに活かしているチームがまだあるのか、注目です。

球場同士を比べてみると

 先ほど「ナゴヤドームではホームランが出にくい」と書きましたが、各球場における本塁打の出やすさを数値で表したものに本塁打PF(パークファクター)という指標があります。ナゴヤドームの本塁打PFの算出式は
本塁打PF=
(ナゴヤドームでの中日の1試合あたり(本塁打+被本塁打))

(他の球場での中日の1試合あたり(本塁打+被本塁打))
       
となります。実際の値は下図(最右列)のようになります。ナゴヤドームは他の球場の平均と比べて0.903倍本塁打が出やすい、つまりやや出にくいという意味とみなせます。甲子園、マツダの方が小さな値ですから、実際のところは、(あくまでも今季に関しては)ナゴヤドームが本塁打が特別に出にくいとは言いきれないようです。


 この指標は、厳密にはいろいろな定義があります。細かいかもしれませんが、使用する際の注意も踏まえて書いておきます。

1.「他の球場」での成績について
 交流戦を考慮せず、リーグ内の5球団との対戦成績に限定することがあります。
更に、地方球場開催試合を除き、本拠地球場に限定することがあります。
※上の表では、今年はまだ交流戦は行われていませんので、リーグごとに算出しています。
 地方球場は含めています。

2.集計する範囲について
 基本的には単年度で見ることが多いです。
というのは、球場以外の要素が絡むことがあるからです。たとえば2011~12年の統一球の成績とそうでないときのものを一緒に集計してしまうと、数値の違いが球場のせいなのか球で飛ばなくなったせいなのか判断がつかなくなってしまいます。ボールが飛ばない!?囁かれる噂を検証というコラムがありましたが、NPB全体でボールが飛びにくくなったとしても、あくまでも今年のリーグ平均との比較を見ることができます。

3.集計する打撃項目について
 前述の式は本塁打PFでしたが、「1試合あたりの得点」の比を考えたものは「得点PF」です。二塁打など他の項目についても同様ですが、試合あたりではなく1打数あたりや1打席あたりを考えることも可能です。更に、たとえば打席の左右別に集計して比をとれば、「左打者が本塁打を打ちやすい」球場かを調べることもできます。

 表内には、グラウンド内に飛んだものとして、単打・二塁打・三塁打・本塁打を別々にPFをまとめてあります。ただ、単打PFを見てみると、おおよそ0.9~1.1の範囲に収まっています。単打は球場の大きさによって大きく左右されるものとは言えないようです。ただ、芝による内野守備の影響は考えられますので、PFというより守備指標を用いた評価の方が適しているかもしれません。

 反対に、三塁打PFは0.3台から4超まで、値に幅があります。三塁打はサンプル数が小さいですから、シーズン序盤でこのようにPFを求めて議論することは向いていないと言えるでしょう。

リーグ最小からダントツになったヤフオクドームの本塁打PF

 最後に、再び今年のPFの表に戻りましょう。敢えてセ・リーグにしか触れていませんでしたが、得点PF・本塁打PFとも最高の値を示したスタジアムがパ・リーグにありました。そう、ヤフオクドームです。とりわけ本塁打PFの方は、2を上回る高水準になっています。
 ヤフオクドームは本来は大きく、PFの非常に小さいスタジアムでしたが、今季からホームランテラスが設置されぐっと小さくなったことが話題になりました。その度合いは、下の本塁打PFグラフからも一目瞭然です。

 ソフトバンクは現在36試合でチーム本塁打32本とリーグトップの数値を叩き出している一方で、守ってはチーム防御率2.98と、こちらもリーグトップ。ヤフオクドームの改修によって投手陣が打たれやすくなる懸念もあった中、現状では恩恵を受けていると言ってもよいのではないでしょうか。