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コラム COLUMN

「先発・藤川!?」一流リリーバーの新たな挑戦 タイムリーdata vol.76

伊丹 雄斗

 プロ野球のキャンプインまで残り1週間を切りました。この時期は、各球団が獲得したルーキーや新戦力の動きがファンの関心事になるでしょう。金本知憲新監督を招き入れた阪神は、かつての絶対的リリーバー・藤川球児が4年ぶりに復帰を果たしました。救援投手として輝かしい実績を持つ藤川ですが、入団が決まった際に金本監督から「先発ができるように」と伝えられたそうです。

 藤川がNPBで最後に先発したのは2003年。翌年以降はリリーフで一時代を築きました。その後、昨年6月に四国アイランドリーグ・高知に移籍すると、計5試合に先発。9月7日の香川戦では131球の熱投で完封勝利を記録しています。

 報道によるとリリーフ起用の可能性も残されているようですが、現在は先発転向を視野に調整を続ける藤川。今回のコラムでは、リリーフから先発に転向した現役投手を参考に、藤川の先発としての課題を探ります。

リリーフと先発で輝かしい実績を誇る攝津正の存在

 「リリーフで結果を残し、先発転向後も活躍をした投手」と聞かれて、ソフトバンク・攝津正を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。08年ドラフト5位で指名を受けた攝津は、09・10年に2年連続で最優秀中継ぎのタイトルを獲得すると、11年からは先発に転向。その後もチームの中心選手として、5年連続2ケタ勝利を記録しています。

 攝津の投球スタイルを見ると、リリーフ時代はストレートとシンカーの2球種を基本線に打者と対決していました。先発転向後はカットボールを加えたり直球の割合を減少させたり変化が見られるものの、投球の軸は2つのボールであることに変わりはないことが分かります。

藤川球児が誇る2つの「打たれない」ボール

 では、藤川のデータを振り返りましょう。藤川の代名詞といえば、「火の玉」とも評されるストレート。NPB時代はどのシーズンも投球の約7割をこのボールが占めており、被打率も1割台から2割台前半という好結果を残しています。そして忘れてはいけないのがフォークで、こちらも安定した被打率をマークしました。MLB挑戦前には新たな変化球にも取り組んでいた藤川ですが、軸になるのはストレートとフォークの2球種でしょう。

避けては通れないストレートの「違い」

 救援投手と先発投手の違いのひとつに、速球のスピードの変化が挙げられます。これには短いイニングを全力で投げることができる救援と、長いイニングを計算しないといけない先発では、1球にかけられる負担に差が出てくることが要因のひとつでしょう。

 ここで、もう1人参考にDeNA・山口俊のデータも見てみましょう。09年に51試合で登板するなど、長らくチームのリリーフ陣を支えた山口。14年途中に自身7シーズンぶりの先発マウンドに上がると、終わってみれば自己最多の8勝を挙げました。球速のデータを見ると、リリーフでは150キロ前後のストレートを連発していましたが、先発では145キロ前後まで落ち着いていることが分かります。


 そして、攝津のデータを見ても先発転向後はストレートの平均球速が低下しています。ただし、それにも関わらず被打率自体はNPB平均よりも優秀な数字を記録し続けてきました。スピードが落ちたとしても、制球力や配球の組み立て次第では打者を打ち取れることの証明ではないでしょうか。

 かつては150キロ前後のスピードボールを武器としていた藤川。しかし、当時から年齢を重ねている上に先発転向となれば、その剛速球をコンスタントに投げこむ姿は想像しづらいところです。ただ、その避けては通れない課題にアジャストすることも、先発で成功する条件になるでしょう。

 この自主トレ期間は先発としての調整を続けた藤川ですが、冒頭にも書いたとおり先発転向案は決定事項ではないそうです。新シーズン開幕後に藤川が上がるのは、まっさらなマウンドなのか、それとも最終回のマウンドなのか。キャンプからその動向に注目が集まります。