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コラム COLUMN

西武ライオンズ・中村剛也、リーグ記録への挑戦 タイムリーdata vol.54

伊丹 雄斗

 日本球界を代表するホームランアーティスト・中村剛也(西武)。8月23日終了時点でリーグ最多の33本塁打を放っており、自身6度目の本塁打王に向けて視界は良好です。さらに今季の中村は、とある「パ・リーグ記録」を更新する可能性も持っています。それはシーズン打点記録です。ここまで114試合の出場で109打点を挙げている中村。このペースでいけば、143試合終了時点で135.8打点。高いハードルにはなりますが、1985年に落合博満氏(当時ロッテ)が記録した146打点の更新も夢ではないでしょう。今回は中村が記録的な打点数を挙げている理由を探ります。

 今季の中村は得点圏で打率.313を記録。これは、規定打席に到達したシーズンでは自己最高の数字です。また得点圏での打席自体も多く、今季の162打席は中田翔(日本ハム)に次いでリーグ2位となっています。
 近年は故障の影響で戦線を離れることも少なくなかった中村ですが、今季の欠場は1試合のみ。体調面や環境に恵まれたことが多くの打点につながったようです。

 打撃成績をさらに細かく見ると、今年は満塁時の成績が際立っています。8月9日のオリックス戦で今季4本目のグランドスラムを放った中村。通算16本目の満塁弾は、王貞治氏(元巨人)の15本を上回りNPB新記録となりました。今季は満塁の打席が18度ありますが、これは松田宣浩(ソフトバンク)に並んで12球団最多。109打点の約1/5に当たる23打点を、この満塁機で記録しています。

 打点を記録するには、前を打つバッターたちの働きも重要なポイントです。今季、中村が打点を挙げた時の得点者は右記のプレーヤーたち。浅村栄斗を筆頭に、主に1~3番に座る打者の名前が連なっています。今季の西武は同打順の出塁率が高く、5月と6月には4割を超えたほど。リーグトップの出塁能力を誇る上位打線が、中村に多くの好機をおぜん立てしていました。
 特に開幕から全試合で1番を打つ秋山翔吾の存在は欠かせません。今季秋山が中村の打点時に本塁を踏んだ回数は21回。過去の同条件で1番打者が生還した回数は、2009年の片岡易之(現巨人、現登録名は片岡治大)の15回が最多でした。今季はほとんどの月で出塁率4割を超える秋山。彼の好調も中村の打点に大きな関わりを見せています。


 もしシーズン打点のパ・リーグ記録を更新すれば、これは中村自身の大記録でもありチームの大記録ともいえるでしょう。オールスター明けにつまずいた西武ですが、まだクライマックスシリーズ進出は射程圏内。中村の打点にも注目しながら、シーズン最終盤の戦いを見守りたいところです。