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コラム COLUMN

MVP選外の2人が挑んだ記録 タイムリーdata vol.40

新家 孝麿

 先日、5月の月間MVPが発表されました。セ・リーグでは、投手部門で大野雄大、野手部門で筒香嘉智が選出。パ・リーグでは、同様にディクソン李大浩がそれぞれ選出されました。彼ら4人の活躍はすさまじく、妥当な結果といえるのではないでしょうか。
 さて、今回はその月間MVPを獲得した4選手ではなく、候補でありながら惜しくも選出されなかった2人の連続記録に迫りたいと思います。(※文章・表中の数字はすべて6月7日終了時点)

32イニング連続無失点

 1人目は、阪神の藤浪晋太郎です。5月は防御率0.88をマークしました。そして5月14日のヤクルト戦で2回に失点して以降、6月3日のロッテ戦の7回まで、32イニング連続無失点を記録。歴代のNPB記録には遠く及びませんが、記録を継続した4試合のうち3試合で9イニング以上投げるなどチームに大きく貢献しました。

功を奏した相棒の変更

 藤浪が劇的に良くなった要因の一つとして、捕手が鶴岡一成に代わったことが挙げられます。5月14日の試合以前は、主に梅野隆太郎藤井彰人がマスクをかぶっていましたが、そのときの防御率は3.20。決して悪い数字ではありませんが、藤浪の潜在能力からすれば物足りないと感じていたファンも多かったはずです。それが鶴岡と組んでからの4試合では防御率0.26。奪三振率も向上し、ファンも納得するような圧倒的なパフォーマンスを見せました。


 活躍に当たって、藤浪が課題とする左打者を封じたことが影響しました。5月14日以前の被打率は.337と悪い数字でしたが、鶴岡に代わって以降は同.143と飛躍的に向上。具体的な変化としては、それまで多投していたストレートを控え、カットボールの投球割合を増やしました。鶴岡はそれまでよりもストレートに頼らない配球で、好リードしたようです。
 ちなみに、4年前の今日6月8日はダルビッシュ有(当時日本ハム)がパ・リーグ記録に並ぶ、3試合連続完封勝利を達成した日でもあります。この数試合でそのポテンシャルの高さを証明した藤浪。偉大な投手の背中が少しだけ見えたのではないでしょうか。

22試合連続安打

 2人目はロッテの清田育宏です。昨季までの通算打率は.262ながら、今季はここまでリーグトップの打率.374をマーク。特に5月に入ってからは絶好調で、9日から始まった連続試合安打は6月7日までの22試合で継続中です。NPB記録までは、まだ及びませんが、歴代の選手と比較しても、その期間中の打率が高い点で清田は際立っています。数字以上に存在感を放っているといえるのではないでしょうか。

 そんな清田ですが、まず留意しておきたい点があります。それはBABIPの高さです。BABIPが意味するところと、その解釈のむずかしさというコラムがありますので、今回は詳しい説明は割愛しますが、清田はもともとBABIPが高い打者ではないことから、多少ながら運を味方につけていることは否定できないでしょう。

好調を生んだ打撃変化

 しかしながら、ここまでの急激な打率上昇は、運だけで片付けられないこともまた事実です。具体的な要因を探ると、今季は外角に強さを発揮していることが分かります。外角の打率.422は両リーグトップ。さらに驚くべき点は、長打率.609を記録していることです。一般的に、外角の球は長打になりにくいですが、清田はコース別で最も高い数字となっています。決して大きくない体格ながら逆方向にも長打を打てるパンチ力を秘めており、相手投手からすれば抑えるのが困難な打者に映っているはずです。
 また、外角の打率が向上した裏には、清田のアプローチの変化が見てとれます。今季は外角の球を無理に引っ張ろうとせず、センターからライト方向に流して打っていることが分かります。基本に忠実なバッティングを実践する背番号1はどこまで記録を伸ばすのでしょうか。その打席から今後も目が離せません。