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コラム COLUMN

守備シフトは日本球界に根付くか

小林 展久

日米で増加中の守備シフト

 今年のNPBは日本ハムやDeNAを中心に、従来あまり見られなかった戦術が用いられている。リリーフを先発で起用するオープナー、そして守備シフトがそれに該当する。アルモンテ(中日)らに対してオープン戦からシフトを敷くシーンが散見されていて、シーズンに入っても日本ハムが開幕戦から吉田正尚(オリックス)に守備シフトを敷いた。

 先行して守備シフトが普及しているMLBでも、今年に入って特に対左打者で割合が大きく上昇している(図1)。この急激な増加は、2015年から運用が始まったStatcastと呼ばれるシステムによって、角度(水平角度、垂直角度)や初速などの詳細な打球データを取得できるようになり、その分析が進んだ影響が大きいと考えられる。

 どのコースに投げた球を、どのカウントで、とあらゆる状況を考慮した打球傾向を打者ごとに洗い出し、それを踏まえた守備隊形を用意していると推測され、試合中に内外野とも目まぐるしくポジションを変更する様子が見受けられる。

シフトの目的とリスク

 守備シフトは、より多くアウトを奪うため、定位置ではなく相手打者の打球傾向を考慮した守備隊形を取ることを指す。図2はBaseball Savantに公開されている過去3年分のStatcastデータを用い、フェアゾーンを22分割した上で内野手の守備範囲をホームベースから200フィート(約60メートル)以内の飛距離の打球と定義して、そのゾーンに飛んだ左打者の打球割合を示したものだ。

 赤色が濃いほど多くの打球が飛んでいることを意味しており、この打球傾向に従って左打者に対しては内野手を一塁側に寄せるシフトが一般的となっている。右打者は左打者とは逆で三塁側に内野手を寄せて、レフト方向の打球をカバーする。

 そして、守備シフトは内野に限ったものではない。日本ハムが4月7日の試合で森友哉(西武)に対し、三塁手の淺間大基を左翼定位置付近に配置して外野に守備者が4人いるシフトを敷いたが、これは三塁側へのゴロが少なく、フライが多いという森の傾向を踏まえた上でアウトの可能性を高めるためだと推測される。

 打球が守備網にかかればよし、かつ相手打者がシフトを意識して持ち味が消える、あるいは打撃フォームを崩すなどの影響が出ればシフトの効果が出たといっても良いだろう。


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