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コラム COLUMN

“亜大ツーシーム”の特異性から考える、球種の性質の話

竹石 健太郎

“亜大ツーシーム”は魔球なのか

 セ・リーグ最高勝率投手の薮田和樹、先発、救援にフル回転した九里亜蓮(いずれも広島)、DeNAのクローザー・山﨑康晃、パ・リーグ最多勝の東浜巨(ソフトバンク)。2017年プロ野球の主役だったチームの中で大きな役目を担った彼らはいずれも亜細亜大学の出身であり、亜大ツーシーム(又は亜細亜大ツーシーム、亜細亜ボール)と称される変化球を投げることでも知られている。

 まず4投手の球種割合を見ていただきたい。色付けされたものが亜大ツーシームとされる球種だ。4人の中で最年長である東浜が投げ始めたとされるこの球種は、およそツーシームとは思えない変化を見せることから話題に上がることも多い。各投手で変化の大きさやスピードなど多少異なる部分もあるが、その特徴として次のような点があげられる。

・フォークのように指を広げて投げる
・変化(落差)が大きい
・低め(ボールゾーン)を中心に配球する

 一般的にシュート系の球であるツーシームは、ストレートに近い球速で小さく変化させ、ゴロを多く打たせられる半面、空振りは少ないという特徴を持つ。一方で亜大ツーシームはフォークのような投げ方で、フォークのような使い方をする。その点を踏まえて亜大ツーシームのゴロ割合と奪空振り率を、各球種のNPB平均と比較してみよう。下の図は右上に位置するほど空振り、ゴロともに多いことを示している。4人の亜大ツーシームは右上に集中しており、見た目の特徴そのままに、フォークの平均に近いところに位置するという結果が出た。ではこれをもって、「ツーシームなのに空振りも多く奪える魔球だ」と評価することができるのだろうか。

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