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コラム COLUMN

本塁打倍増のヤフオクドームで失点を防ぐには? タイムリーdata vol.68

小林 展久

 プレミア12強化試合の対プエルトリコ初戦で、試合の均衡を破ったのは秋山翔吾の先制2ラン。鋭い打球がライトフェンスを襲い、ホームランテラスへと落ちました。これは、今季のヤフオクドームでの試合を象徴する一発といえるでしょう。今回は本塁打の生まれやすくなったヤフオクドームで、どういうピッチングを心がけるべきかに迫りたいと思います。

テラスにより増えた本塁打は71本

 まず、球場の特性を表すパークファクターという指標を見てみましょう。1.00を基準として数値の大小を見る同指標ですが、今季のヤフオクドームは他球場と比較して本塁打の生まれやすい球場になっています。テラスに飛び込んだ本塁打は計71本。昨季とほぼ同数がテラスにより増加し、球場改修の効力は一目瞭然です。

 しかし、本塁打が増えたにも関わらずソフトバンクのチーム防御率はリーグ1位でした。特にヤフオクドームでは相手チームよりも防御率悪化を小さく抑えています。そんなソフトバンク投手陣の特徴は何でしょうか。


救援陣が引き上げた高い奪三振率

 まず1つ目は高い奪三振率です。同数値で今季リーグ1位の7.82を記録。その要因は、同14.20の守護神・サファテら救援陣の影響が大きいと考えられます。特にヤフオクドームでは同8.45まで上昇。他球団と比較すると、優れた奪三振能力を持っているといえるでしょう。ボールが前に飛ばなければ、本塁打を浴びる可能性はありません。高い奪三振能力は、ホームランの出やすくなった同球場では特に重要になります。

昨季より減少した与四球

 もう1つ挙げられるのが、与四球の少なさです。昨季はヤフオクドームで相手チームとほぼ同じ割合で四球を与えていましたが、今季は減少。逆に相手チームは強力なソフトバンク打線とヤフオクドームを警戒したせいもあるのか、与四球が増えました。
 与四球が減った一因として、ストライクゾーンへの投球が考えられます。本拠地では他の球場よりもストライクゾーンへ投げ込んでおり、CS、日本シリーズでは48.7%まで上昇しました。走者を減らせば本塁打を浴びたとしても大量失点の可能性は減少するため、与四球の少なさは奪三振能力同様にカギとなる要素でしょう。

圧倒的な奪三振率と優れた与四球率を誇る両外国人

 ここからは、ソフトバンクの個人別の奪三振率や与四球率などを見ていきます。ヤフオクドームでの登板で、多くの三振を奪いつつ四球を少なく抑えた投手は、バンデンハークとサファテです。ともにNPBトップクラスのストレート平均球速を誇り、複数の球種で空振りを奪うことができます。本拠地でほぼ完ぺきな投球を続けた両投手ですが、この奪三振能力があれば来季も活躍を見せてくれるでしょう。他にも長打になりにくいゴロ打球を多く打たせた五十嵐亮太バリオスは、被本塁打なし。今後も同球場で力を発揮してくれそうです。

来季好投が期待される選手は?

 最後に、来季ヤフオクドームでの活躍が期待できる投手を3名挙げます。ソフトバンクでは、8月18日に3年ぶりの先発登板で7回無失点と好投したソフトバンク・千賀滉大でしょう。平均球速146キロのストレートはNPBでも上位にあたり、三振が奪えてゴロの割合も多い投手です。1年間ローテーションを守ることができれば、2ケタ勝利する可能性は十分あります。
 他球団の投手では、日本ハム・大谷翔平と楽天・則本昂大です。大谷は今季ヤフオクドームでの先発が1試合しかなく、その登板では終盤の連打で崩れました。しかし、高い奪三振率とゴロ割合を考慮すれば、この球場との相性は良さそうです。来季のリベンジに期待したいところでしょう。則本は今季3試合の登板で奪三振率14.68と、奪三振ショーを披露しました。プレミア12では自己最速の157キロをマークした右腕が、今季を上回る投球を見せるかどうかにも注目です。