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コラム COLUMN

“控え捕手の控え”は必要なのか

佐藤 優太

球界の主流は捕手3人制

 球界で捕手の人材不足が叫ばれて久しい。絶対的な正捕手と呼べるような選手がいるチームは一握りで、昨年のベストナインに輝いた會澤翼(広島)と甲斐拓也(ソフトバンク)にしても、スタメンマスクをかぶった試合はそれぞれ87試合と80試合にとどまった。先発投手との相性などで複数の捕手を使い分けるのが、近年の主流になっている。

 そんな事情も相まってか、昨年のプロ野球ではある変化が見られた。のべ1716試合のうち、捕手が3人以上ベンチ入りした試合が1277試合を数えたのである(図1)。割合にすれば74.4%と、前年から8.7ポイントの上昇を見せており、捕手3人制が球界に根ざしつつあることの表れといえるかもしれない。

 なお、図1も含め、本稿では以下のいずれかを満たす選手を「捕手」として定義している。

(1) 当該年に一軍で捕手として先発出場した
(2) 当該年の一軍・二軍を合算したポジション別出場数の最多が捕手
(3) 捕手登録であり、当該年に一軍・二軍を合算して5試合以上に捕手として出場した

具体例を挙げると、2017年の原口文仁(阪神)は専ら一塁手として起用され、捕手での出場は二軍戦を含めても1試合のみだったことから、捕手登録ではあるものの捕手として扱っていない。逆に、15年の阿部慎之助(巨人)は内野手登録であるが、22試合で一軍のスタメンマスクをかぶっているため、定義上捕手としている。煩雑ではあるが、より実態に即した分析を行うための措置としてご了承いただきたい。

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