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コラム COLUMN

高卒入団の投手はどのくらい成長するのか?

金沢 慧

■大谷の比体重は5.7、球速は6.3km/h増加した

 上の表は大谷の「身長」「体重」「比体重」「平均球速」の推移を表したものだ。

 MLB公式アナリストのマイク・ペトリエロもMLB.comに寄稿(「2 for the Sho! Analytics: Ohtani arm, bat elite」 ※英文記事)しているように、大谷の投手としての最大の魅力はメジャー先発投手の中でも3本の指に入るといわれる「球速の速さ」である。

 大谷は入団1年目の19歳時点ですでに149.2km/hをマークしていたが、これはダルビッシュ有(ロサンゼルス・ドジャースからFA)の日本最終年(25歳時点)の平均球速149.4km/hとほぼ変わらないという高水準であった。入団時点ですでに日本人トップの球速を誇っていた大谷だが、その後も20、21歳で152.6km/h、22歳で154.7km/h、23歳で155.5km/hと、順調に球速を伸ばした。昨年の数値はパ・リーグMVPにも輝いたソフトバンクのクローザー・サファテを2km/h以上も上回る驚異的な速さである。

 このようなパフォーマンス向上要因のひとつに、身体形態の変化があると思われる。公式の情報を元にした体重の推移を見ると、19歳のシーズンとなる新人時代は86kgだが、2017年の開幕前には97kgとなっていた。この間、身長の変化はないので、体重と身長の比率である「比体重」は44.6から50.3へと上昇している。

■同世代の投手と大谷の比較

 大谷の変化を同世代の他の選手と比べるとどうだろうか。上の表は2013年の高卒新人投手の比体重を2013年、2017年の2時点で比べたものだ。

 大谷の2017年の比体重は50.3だが、これは同期入団の同世代投手の中では最も大きい数値だ。入団時点の比体重44.6も上から3番目であり、他の選手に比べて特に細い体型だった訳ではないが、報道されているような計画的なコンディション管理と筋力トレーニングがあったのだろう。比体重の変化率を見ても、3番目に多い約13%の増加となっていた。

 並外れた肩甲骨の柔らかさなど、元々備えている身体機能を損なわずにパワーアップできたことが大きいとは思われるが、比体重の計画的な増加は大谷の球速向上に影響を与えていたと考えられる。

■高卒の長身投手は増えていない

 さて、ここからが今回の本題となる。大谷は19歳から23歳にかけて体格を大きくしつつパフォーマンスを高めるということができていたが、他の投手はどうなのだろうか?過去15年のデータを元に検証してみたい。

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