TODAY'S HOT
  • 2001年3月30日 ラミレス(ヤクルト)が竹下慎太郎からNPB初安打を記録。(vs.横浜)
コラム COLUMN

独立リーガーに立ちはだかる“レベルの差”

佐藤 優太

独立リーグという選択肢

 高校通算111本塁打の清宮幸太郎(早稲田実高)が超目玉とされた2017年のドラフト会議。7球団競合の末に日本ハムが交渉権を獲得したのは周知の通りだが、これは1995年の福留孝介(PL学園高)に並ぶ、高校生の最多競合記録でもあった。その陰で、もう1つの「最多記録」が生まれていたのをご存じだろうか。西武3位の伊藤翔(徳島インディゴソックス)を筆頭に、独立リーグから6人が本指名を受け、過去最多だった2010年の4人を上回ったのである。

 現在、日本には3つの独立リーグが存在する。一番の古株が、2005年に創設され、現在は四国4県で活動している「四国アイランドリーグplus」(以下、四国IL)。次いで、07年からスタートし、今では福島県から滋賀県まで10球団が加盟する大所帯となった「ルートインBCリーグ」(以下、BCリーグ)。そして、09年から13年まで活動していた「関西独立リーグ」を前身とし、14年から新リーグとなった「ベースボール・ファースト・リーグ」(以下、BFL)だ。

 これらの独立リーグからドラフト指名を受けた選手は、今年を含めて総勢91人に及ぶ(図1)。2012年から14年にかけては指名人数が大きく減ったものの、ここ3年間では合計30人が指名されており、再び存在感を増してきている格好だ。この背景には、「アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」の代表メンバーにも選ばれた又吉克樹(中日)の活躍や、三軍制を敷く球団が増えて裾野が広がったこともあるだろう。

 NPB入りを目指す選手にとって、独立リーグでプレーするメリットはいくつか考えられる。1つは、指導者や選手にNPB経験者が多いことだ。中には、マニー・ラミレス(高知ファイティングドッグス)や岩村明憲(福島ホープス)といった元メジャーリーガーもおり、百戦錬磨の技術を間近で学ぶことができる。また、ドラフト指名のチャンスが毎年あることも大きい。例えば指名漏れした高校生の場合、大学進学なら4年後、社会人入りしても3年後までは指名を待つ必要があるが、独立リーグでプレーすれば翌年から指名を受けられる。実際に、冒頭で名前を挙げた伊藤はこれを理由に四国ILに進み、高卒1年目でNPB入りを勝ち取っている。

“レベルの差”を数字で表す

 ただ、指名後に目を向けると、厳しい現実が見えてくる。昨年までに独立リーグからドラフト指名された82人のうち、一軍デビューを果たしたのは38人と、半分にも満たないのだ。その難関を突破した38人の中でも、一軍に定着したといえるシーズンがあるのは、投手なら又吉、野手なら角中勝也(ロッテ)、内村賢介(元DeNA)、三輪正義(ヤクルト)、亀澤恭平(中日)くらいだろう(表1、2)。

 では、独立リーグとNPBの間にはどれほどのレベル差があるのだろうか。それを推し測るため、「連続した2年間において、四国ILとNPB二軍、またはBCリーグとNPB二軍の両方でプレーした選手」を対象に、以下の方法で分析を行った。

――この記事の続きは「BASEBALL GATE」でご覧ください。

ドラフト会議 TOP