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コラム COLUMN

打席での主導権を握る初球ストライク ~「GET!ファイターズ」での特集~

新井 雄太

 5/30に「GAORA SPORTS」で放送された番組「GET!ファイターズ」に、野球分析担当としてVTR出演しました。


 番組内では「投手陣不調の原因」というテーマで初球ストライク率や初球結果後の投手成績などのデータを紹介しました。今回は番組内ではお届けしきれなかった情報も含めて補足的に紹介したいと思います。

初球ストライク率

 今季の日本ハムは3・4月の勝率が.464と開幕からいまひとつ波に乗ることができずにいました。これを裏付けるひとつのデータとして初球のストライク率を紹介したいと思います。

 チーム全体では初球ストライク率は57.3%でリーグ4位(放送では5位)となっており、この数字はリーグ平均以下。投手陣全体が初球でなかなかストライクを奪うことができませんでした。一方でパ・リーグ上位のソフトバンク、ロッテはこのデータでも上位に位置しています。

 ちなみに5/6~5/22の日本ハム5カード連続勝ち越し中は、チームの初球ストライク率が60.3%とリーグトップクラスの非常に高い数字になっていました。

初球ストライクだと投手は圧倒的優位に立つ

 初球にストライクを取るということが、その打席にどのような影響があるのかもデータで示しました。今回はパ・リーグ全体の数字を参照してみたところ、最も影響が出ているのが被出塁率でした。初球ストライクの際は.274と投手にとって良い結果となっていますが、初球ボールの際には.394と実に1割以上も被出塁率に影響を与えているのです。その他の数字でも初球の結果で大きく数字が動いているように、初球でストライクを取れるかどうかが、その打席の結果に大きく影響していることが分かるかと思います。

 ただし、初球にストライクを取る方が有利といって甘い球を投げても良いかというと、それは大きな間違いです。初球打ちされた際のデータも今回は上に示していますが、被出塁率はもちろんのこと、本塁打を打たれる確率も非常に高くなっています。打者が狙い球を絞ってくることも多い初球ならではの数字ともいえるでしょう。また、初球の入り方がいかに難しいかといったことも表現できているのではないでしょうか。

※ストライク率に興味がある方は是非下記の記事もご覧ください。

 番組ではこれら様々なデータをご覧いただいた岩本勉さん、建山義紀さんの両解説者にも解説していただいて、見ごたえ十分の内容になっています。

 特に放送内で初球ストライクについて手厚く解説していただきました、建山義紀さんの現役時代のデータも特別にご紹介します。メジャーリーグ挑戦前の3年間のデータを見ると、リーグ平均を大幅に上回る高い数字を残していました。サイドスローという自身の特徴を最大限に生かして、ストレート、スライダーを内外角に丁寧に投げ分ける投球スタイルが効果的だったのではないかと思われます。
 現在の日本ハム投手陣にも偉大なOBの数字に追いつくような活躍を期待したいと思います。

 番組内ではデータコーナー以外にも選手が語る交流戦の楽しみ、プロ4年目の新垣勇人投手の特集など見どころ満載な楽しい番組になっています。
 日本ハムファン以外の方でも楽しめる番組だと思いますので、是非ご覧いただければと思います。

※文中、表中のデータは2016年5月30日終了時点