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コラム COLUMN

リリーフに適性のある投手とは? タイムリーdata vol.73

小林 展久

 楽天は、松井裕樹を来季も抑えで起用することに決定しました。ルーキーイヤーの昨季は先発で17試合に登板し、完投も記録していた松井ですが、今季からリリーフに転向。防御率は0.87と抜群の安定感を誇り、チーム史上最多の33セーブを記録しました。他球団では巨人・澤村拓一が、今季から抑えに転向して36セーブをマーク。広島・大瀬良大地もシーズン途中からの配置転換ながら、セットアッパーとして20ホールドを記録するなど、活躍を見せました。今回は、彼らのようにリリーフとして活躍する可能性の持ち主を、2015年のデータを基に探っていきたいと思います。

救援転向すると基本的に球速はアップ

 まず前提として、救援に転向すると球速が上がる投手が多いことに触れておきます。1年間に先発と救援の両方である程度の球数を投じた投手を対象に、直近5年分のデータを見てみると、ストレートの平均球速は1.5キロ前後上昇。長いイニングを投げ試合をつくる先発と比較すると、リリーフは短いイニングを全力で抑えにいくピッチングが求められるため、球速がアップしているのかもしれません。

球威が段違いに増す途中加入の助っ人

 さて、今季先発と救援の両方で登板し、特に球速が上がった投手を見てみると、1位となったのは7月に独立リーグから中日に加入したネイラーでした。8度の先発で6回のQS(クオリティスタート…6回以上を自責点3以下)を記録し、来季はローテーションの軸としても期待されるネイラーですが、救援では最速152キロをマークするなど球速が大幅に上昇。谷繁監督が抑えも含めていろいろな可能性があるとコメントした報道もあり、来季の起用法に注目の選手です。

ピンチで球速を上げる余裕のあった投手は?

 前述のデータでは、先発と救援の両方に登板した投手を対象にしました。そこで今季の登板が先発のみだった投手が、リリーフに回った場合にさらなる球速上昇が可能かどうかを見るために、ピンチで球速がアップした投手を割り出してみました。このデータの上位者は必ずしも救援転向で球威を増すとは言い切れませんが、余力を持って投げていることを示す数字の1つとはいえそうです。
 日本ハム・大谷翔平、阪神・藤浪晋太郎と球界屈指の速球派が、このランキングの上位に位置していることは、彼らの底知れないポテンシャルを感じさせますが、ここでは5位の巨人・ポレダを取り上げます。来日1年目の今季は規定投球回に到達し、防御率2.94と好成績をマークしましたが、2014年はメジャー、マイナーを通じてリリーフのみの登板でした。最速155キロを誇る大型左腕が救援に転向すれば、自慢のストレートがさらに威力を増す可能性は十分に考えられます。

史上最年少月間MVP・髙橋光の可能性

 ここからは来季の起用法が変わる可能性の低い投手を除いて、参考になる数値を見ていきます。具体的には先発として50投球回、10ホールド、10セーブを満たしていない投手を対象者としました。
 まず僅差のリードで抑えた投手ですが、ここで1位となったのは、8月に史上最年少で月間MVPを獲得した西武・髙橋光成。チームの将来を背負うエース候補なだけに先発が基本線と考えられますが、ブルペンのやりくりに苦慮し、牧田和久らを救援に起用して急場をしのいでいたのが今季の西武です。髙橋が重要な局面でリリーフ登板すれば、チームの勝利に貢献するピッチングを披露するかもしれません。

失点する確率が高い状況で三振を奪える投手は?

 最後に紹介するのが、三塁にランナーを背負った状況で三振を奪ってきた投手です。ここでは、DeNA・須田幸太に注目しました。昨季は8月から救援で登板し、初セーブをマークするなど好投を見せた須田ですが、5年間のキャリアで先発としての防御率が5.42に対し、救援では同2.89。奪三振率も5.18から9.07と大幅に上昇と、リリーバーとしての適性を見せています。昨季チーム防御率がリーグ最下位に終わったDeNAですが、須田のブルペン起用は投手陣改善の一策といえるでしょう。
 来季は持ち場が変わる、あるいはより重要なマウンドを任されて、セットアッパーや抑えとして定着する投手が現れるのでしょうか?12球団の投手陣の動向に注目してみましょう。