リリーフに適性のある投手とは? タイムリーdata vol.73
救援転向すると基本的に球速はアップ
まず前提として、救援に転向すると球速が上がる投手が多いことに触れておきます。1年間に先発と救援の両方である程度の球数を投じた投手を対象に、直近5年分のデータを見てみると、ストレートの平均球速は1.5キロ前後上昇。長いイニングを投げ試合をつくる先発と比較すると、リリーフは短いイニングを全力で抑えにいくピッチングが求められるため、球速がアップしているのかもしれません。
球威が段違いに増す途中加入の助っ人
さて、今季先発と救援の両方で登板し、特に球速が上がった投手を見てみると、1位となったのは7月に独立リーグから中日に加入したネイラーでした。8度の先発で6回のQS(クオリティスタート…6回以上を自責点3以下)を記録し、来季はローテーションの軸としても期待されるネイラーですが、救援では最速152キロをマークするなど球速が大幅に上昇。谷繁監督が抑えも含めていろいろな可能性があるとコメントした報道もあり、来季の起用法に注目の選手です。
ピンチで球速を上げる余裕のあった投手は?
前述のデータでは、先発と救援の両方に登板した投手を対象にしました。そこで今季の登板が先発のみだった投手が、リリーフに回った場合にさらなる球速上昇が可能かどうかを見るために、ピンチで球速がアップした投手を割り出してみました。このデータの上位者は必ずしも救援転向で球威を増すとは言い切れませんが、余力を持って投げていることを示す数字の1つとはいえそうです。
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失点する確率が高い状況で三振を奪える投手は?
最後に紹介するのが、三塁にランナーを背負った状況で三振を奪ってきた投手です。ここでは、DeNA・須田幸太に注目しました。昨季は8月から救援で登板し、初セーブをマークするなど好投を見せた須田ですが、5年間のキャリアで先発としての防御率が5.42に対し、救援では同2.89。奪三振率も5.18から9.07と大幅に上昇と、リリーバーとしての適性を見せています。昨季チーム防御率がリーグ最下位に終わったDeNAですが、須田のブルペン起用は投手陣改善の一策といえるでしょう。
来季は持ち場が変わる、あるいはより重要なマウンドを任されて、セットアッパーや抑えとして定着する投手が現れるのでしょうか?12球団の投手陣の動向に注目してみましょう。