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コラム COLUMN

新たなトレンド!?KBO経由の助っ人たち タイムリーdata vol.70

多田 周平

 プロ野球の2015年シーズンも終わり、本格的なストーブリーグに突入。新加入選手の獲得や移籍の情報が、続々と耳に入るようになってきました。

 そんな中、西武は24日に韓国リーグのネクセンからアンディ・バンヘッケン投手の獲得を発表。今回は、このバンヘッケンのようにKBOからNPBに直接加入した助っ人選手(韓国出身以外)について振り返っていきたいと思います。

第1号はホセ・パーラ

 最初に加入した選手は1999年に巨人に入ったホセ。2005年にはパーラという登録名でオリックスに所属しており、そちらの印象がある方もいるかもしれません。
 ホセは1998年に三星でプレー。主にリリーフとして60試合に登板を果たすと、7勝19セーブの記録を残し、その翌年にNPBに移ります。巨人では開幕2連勝スタートも、その後は3連敗。後半戦は一軍登板機会がなく、結局1年で退団となります。ちなみに復帰した2005年は、右肘の負傷の影響で途中退団。4勝にとどまり、大きなインパクトを残すことはできませんでした。

 次にKBOから加入したのはラス。2002年に斗山でチームトップの16勝をマーク。翌年には巨人でプレーし、初登板から2試合で15回無失点と安定感を発揮します。しかし6月4日の広島戦で、リーグワースト記録に並ぶ1試合3ボーク。結局これが尾を引いたのか、ここから1勝4敗と、ホセ同様活躍はできませんでした。

明暗分かれたヤクルト加入の2投手

 その次にやってきた投手はグライシンガー。KBO2年目の06年に、チーム最多の14勝、そしてリーグ2位の164奪三振を記録します。その翌年にヤクルトに移籍すると、前半戦で7連勝を含む10勝をマーク。最終的に、リーグ最多の16勝を挙げていきなり最多勝に輝きました。KBOでは2シーズンで与四球率2.15をマークしましたが、NPBでもリーグ2位の同1.33。抜群の制球力を見事な活躍を披露しました。
 グライシンガーは1年でヤクルトを退団しますが、翌08年には巨人で最多勝、ベストナインを獲得。NPB在籍8年で2ケタ勝利4度と、抜群の成績を残しました。

 08年、グライシンガーと入れ替わる形でヤクルトにKBOから一人の投手が加入します。その投手はスペイン出身のリオス。斗山でプレーした07年、どちらもリーグトップとなる22勝、防御率2.07の成績をマークしMVPに輝きました。期待の大きかった右腕でしたが、ふたを開けてみると11試合の登板で2勝7敗、防御率5.46。そして6月28日にはドーピング違反が発覚し、1年の出場停止に。ヤクルトが解雇を決断と、いわゆる“ダメ”助っ人として注目されてしまいました。

「最多勝左腕」&「最多奪三振右腕」

 14年には再びKBOでのタイトルを引っさげて一人の左腕が来日。13年にSKで最多勝に輝いたセドンです。巨人での初登板では、9回途中まで15三振を奪う快投を披露。さらなる活躍も期待されましたが、結局4勝を挙げるにとどまり、1年で退団することとなります。

 そして今季はソフトバンクにバンデンハークが加入。同投手は三星に在籍した前年、リーグトップの防御率、奪三振を記録していました。来日1年目の快投は記憶に新しいところで、開幕から9連勝。ポストシーズンを含め11連勝と、無敗のまま突っ走ってチームの日本一連覇に貢献しました。KBOでは奪三振率10.61を記録しましたが、NPBではそれを上回る11.61をマークと、奪三振マシンぶりを遺憾なく発揮してくれました。

野手では2選手がインパクトを残す

 ここまでは投手を取り上げましたが、野手にも触れてみましょう。野手では4人がNPBに入っていますが、2003年に加入した2選手が強烈な存在感を放つこととなります。

 まず1人目はタイロン・ウッズ。KBOでは1998年からプレーすると、いきなり本塁打王・打点王の2冠に輝き、MVPに。ここから4年連続30本塁打と圧倒的なパワーを見せつけました。そして横浜に加入した来日1年目も、40発でホームラン王に。翌2004年も45本塁打でタイトルを防衛。その後は中日に移り、シーズン144打点の球団記録を樹立するなど圧倒的なバッティングでリーグを席巻しました。

 2人目はロッテに入ったホセ・フェルナンデス。SKでプレーした02年、45本塁打107打点とチーム2冠の成績を残しました。そしてNPB1年目に、いきなり3割30本100打点を達成。ロッテは1年で退団しますが、その後は西武、楽天、オリックスと渡り歩き、2度のベストナインを獲得。11シーズンもNPBでプレーする、息の長い選手となりました。

 この2人に続いたのはブランボー。現代でプレーした04年は首位打者に輝くなど、3割30本100打点と自慢の打棒を遺憾なく発揮します。しかし前述の2人のように、日本で輝くことはできませんでした。オリックスでの1年目は19本塁打を放ちますが、2年目は5本塁打と失速。結局この年で退団することとなりました。

 ここではKBOから直接NPBに入った選手のみを取り上げましたが、KBO経験のある選手は他にも07年の交流戦MVPに輝いたグリンなどもいます。また、先日楽天入りが決まったラダメス・リズ投手もKBO経験者で、13年にはセドンを抑えてリーグの奪三振王に輝きました。そして最初に取り上げたバンハッケンも14年に20勝を挙げ、4年連続2ケタ勝利を記録した実績を誇ります。
 近年目につくようになったKBOからの加入投手。これが新たな助っ人獲得ルートとなるのかもしれません。