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  • 1980年4月20日 ソレイタ(日本ハム)が1試合最多本塁打(=4)を達成。 (vs.南海)
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  • 1980年4月20日 ソレイタ(日本ハム)が1試合最多打点(=10)を達成。 (vs.南海)
コラム COLUMN

セ・リーグ戦国時代。Bクラスの逆襲が始まった。 タイムリーdata vol.31

伊丹 雄斗

 2015年プロ野球が開幕して10日余り。セ・リーグは各チーム10試合を消化したばかりですが、昨年のBクラス球団の奮闘が目立っています。今回は、セ・リーグを熱くしている3球団にスポットを当てたいと思います。(※文章、表中の数字はすべて4月7日終了時点)

最下位・ヤクルトの逆襲。カギは「投手陣」。

 昨季は12球団最多得点を挙げながら、12球団ワーストの失点を喫したヤクルト。今季は打線が10試合で34得点と、昨季ほどの破壊力をまだ発揮できていません。その中で、投手陣の奮闘は見逃せないポイントです。

 エース・小川泰弘は、2試合で計14イニングを無失点。石川雅規杉浦稔大は白星こそついていませんが、しっかりゲームをつくっています。一方の救援陣も、ピンチを招くシーンは見られながらも、結果を出しています。投手陣全体が力を発揮したのは、3月31日~4月2日の阪神戦。ホーム開幕3連戦で総失点は7でした。昨年の4月4~6日に行われた神宮での阪神3連戦では計28失点を喫していただけに、投手陣の頑張りがより際立っています。ここまでは先発・救援ともにチーム防御率1点台を記録。懸念材料だった投手陣が今後も結果を残し続ければ、まだまだセ・リーグを盛り上げてくれるでしょう。

5位・DeNAの逆襲。カギは「本塁打」。

 昨季はリーグ最少得点に終わったDeNA。今季はここまでリーグ最多得点数を記録するなど、打線が活発な印象です。さらに、チーム本塁打数も9本と破壊力を発揮。4・5番を組んでいる筒香嘉智ロペスはリーグ最多タイの3本塁打、6番のバルディリスも2本と、中軸の攻撃力は抜群です。

 また、今季は被本塁打が少ない部分も見逃せないところ。過去10年は自軍の本塁打数より、本塁打を献上するケースのほうが多かったDeNA。昨季はシーズン開幕戦から6試合連続で本塁打を浴びて、計10本を献上。開幕ダッシュ失敗の要因のひとつとなりました。当然ながら本塁打は必ず得点になり、被本塁打は必ず失点となります。「一発のある打線と、一発を防ぐ投手陣」という理想的な構図が続けば、悲願のAクラス進出も見えてくるでしょう。

4位・中日の逆襲。カギは「つながる打線」。

 昨季は、球団では28年ぶりとなる2季連続Bクラスに沈んだ中日。今季も開幕3連敗と苦しいスタートを切りましたが、その後7連勝と息を吹き返しました。この快進撃は、リーグ2位の得点数を誇る攻撃陣の貢献も大きかったでしょう。

 近年は得点力不足に頭を悩まされていた中日。今年は開幕3戦目に森野将彦が負傷交代、翌日に登録抹消というピンチが訪れました。しかし翌日以降、オープン戦で打撃好調だった福田永将を「5番・一塁」で起用。すると、3月31日からの巨人3連戦で2本塁打を放つ活躍を見せました。さらに、福田の前を打つ平田良介ルナ、後ろを任されたエルナンデスもハイアベレージをマーク。ヒットを打つだけではなく四死球の出塁も多く、つながる打線が構築されています。自慢の投手力も健在なだけに、打線が活発な今、首位に立っているのは不思議な出来事ではありません。


 中日、DeNA、ヤクルト。もしも昨季のBクラスだったこの3球団がそろってAクラス入りを決め、「AクラスとBクラスの入れ替わり」が実現すれば、セ・リーグ史上初のケースとなります。昨季パ・リーグではこの入れ替わりがありましたが果たして・・・。決して簡単な話ではないですが、その可能性を感じさせるには十分なセ・リーグの幕開けとなりました。