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コラム COLUMN

夏の甲子園とドラフト タイムリーdata vol.51

新家 孝麿

 8月6日に全国高校野球選手権大会が開幕します。今年は記念すべき100周年の大会。清宮選手が在籍する早稲田実業なども出場を決めており、一層の盛り上がりを見せるのではないでしょうか。少し気が早いですが、今回は夏の甲子園大会をテーマにドラフトとの関係性についてみていきたいと思います。

近年のドラフト傾向と脚光を浴びた高校生

 まず高校生はどのくらいドラフト指名を受けているのでしょうか。ここ5年を見ると、全体の3割から4割程度になっています。2012、13年と高校生の指名は少なかったですが、昨年はまた増加。大学生や社会人の即戦力に頼らず、将来を見据えて高校生を指名することもドラフトでは重要になってきます。

 ではドラフト指名された高校生のうち、3年夏の甲子園に出場した選手の割合はどのくらいでしょうか。意外かもしれませんが、最近5年間で指名された高校生179人のうち、3年夏の甲子園に出場できたのはおよそ3割の54人。春の選抜を含め、高校3年間で出場経験のある選手となればその数は増えますが、ドラフト指名された選手のほとんどが、高校最後の甲子園には出場できていないのです。

最後の大舞台での成績は・・・

 ではその数少ない“もっている”選手たちの大舞台での成績を見てみましょう。最近5年間のドラフト1位に絞ってみていきます。まずは投手ですが、やはり記憶に新しいのは大阪桐蔭で活躍した藤浪晋太郎(現阪神)でしょう。3年夏の甲子園では5試合のうち4試合に登板。全て完投勝利を収め、チームを全国制覇に導きました。36イニングで49奪三振、防御率0.50と圧倒的な力を見せてプロの道に進んでいます。

 次は野手です。藤浪の後輩にあたる森友哉(現西武)も、打率.500と最後の夏は別格の成績を残しています。11年に八戸学院光星で活躍した川上竜平(現ヤクルト)は3本塁打を放ち、大会屈指の好打者として名をはせました。その前年に同じくヤクルトに指名された山田哲人が、今や球界を代表する打者となっていますが、川上は同じようなブレークを果たせるでしょうか。高校生は即戦力ではなく将来を見込んでの指名がほとんどですが、やはりドラフト1位ともなれば、高校レベルではずばぬけた成績を残しているようです。

涙をのんだドラフト1位選手

 反対に、3年夏の甲子園に出場できなかったドラフト1位を見てみましょう。こちらも大谷翔平(現日本ハム)、松井裕樹(現楽天)らそうそうたるメンバーが並びます。楽天は12年から14年まで、いずれも出場できなかった選手をドラフト1位指名しました(森、松井裕、安樂)。近年は各高校のレベルの差が小さくなってきており、実力のある選手を擁しても甲子園に出場することは難しくなっているのかもしれません。

プロに行ける選手の特徴は?

 最後にどのような選手がプロに行くのでしょうか。さまざまな要因がありますが、目に見える簡単なサンプルとしてはスピードガンです。夏の甲子園大会で150キロを計測した投手は過去10年間で12人いますが、いずれも高校卒業時にプロの道に進みました(今宮は野手で入団)。150キロを出せる選手はやはり限られた人だけということでしょう。昨年の夏は150キロ投手が現れませんでしたが、今年は見ることができるのか注目です。

 打者の花形はやはり豪快なホームラン。こちらも最近10年間を参考にしてみます。夏の甲子園の1大会で3本塁打以上を記録した選手は8人いますが、プロ志望届を出した4人(平田、筒香、川上、北條)はいずれもドラフトで上位指名されました。やはり本塁打を打てる選手はプロのスカウトにも魅力的に映っているようです。この夏はぜひスピードガンと本塁打に注目して、プロに行くかもしれない数少ない選手を見つけてみてください。