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コラム COLUMN

山田哲人の今シーズン終了時の成績は打順によってどの程度影響を受けるのか

大川 恭平

 今年のペナントレースもいよいよ後半戦に突入しました。セ・リーグは後半戦開幕後も混戦模様が続いており益々目が離せません。そんなセ・リーグの中でも一際注目を集めているのが、ヤクルトの山田哲人です。7/25試合終了時点で打率.326 22本塁打、57打点、17盗塁、115安打、出塁率.412と、いずれもリーグ3位以内の好成績を残しており、トリプルスリーや、本塁打王、盗塁王など、さまざまな記録達成やタイトル獲得が期待されています。

 前半戦は主に1番打者として出場していた山田ですが、7月の中旬からは3番、畠山が故障で離脱中は4番、畠山復帰後の後半戦5試合では再び3番を務めています。ここまでさまざまな打順をこなしている山田哲人ですが、打順によって成績はどの程度影響を受けるのでしょうか。

 今日は本サイトのプロ野球結果予想算出にも使用されているシミュレータを活用しながら検証してみたいと思います。

1番 3番 4番の各打順で打席数にどの程度差があるか

 シーズンを通しての本塁打数や安打数は、打率や出塁率といった率系の成績と異なり、打席に立つ回数、いわゆる「安打や本塁打を打つチャンスが与えられる回数」も記録に影響します。そこで1番、3番、4番の各打順でどの程度打席数に差があるか検証をおこなってみましょう。

 後半戦開始後ここまでスタメン起用されている9人の野手を起用し、表1のような山田が1番、3番、4番を打つパターンのオーダーを作成してシミュレーションを行ってみました。
 
今回は7/20~22までの後半戦3試合の相手投手(久保康友、三浦大輔、石田健大)を対戦相手とし各打順1430試合(=10シーズン分)試合を行わせてみます。

 表2は表1のオーダーで各シミュレーションを行った際の、山田に回ってきた1試合平均打席数です。
各対戦投手によって1試合当たりの打席数に差はありますが、平均して3番打者として出場した際は1番打者として出場した際の95.3%の打席が、4番打者として出場した際は1番打者として出場した際の92.8%の打席が回ってくる結果となりました。(表3)
 

この比率を使って今シーズン終了時の山田の成績を予想してみましょう。


 今季山田は1番打者として68試合に出場し、312回打席に立ちました。これは1試合あたり4.59(=312/68)回打席に立っていることになります。今後3番打者として残りの54試合を消化すると仮定した場合、

4.59(1番打者として出場した際の平均打席数)×0.953(1番打者として出場した場合と比較した際どの程度の打席数が回ってくるか(%))×54(残り試合)≒236打席

残り54試合で約236回打席に立つ計算になります。山田がこれまでの成績を維持し3.5打席に1本の割合で安打を放った場合236打席で打てる安打数は67本になりますので143試合を終えた時点のシーズン通算安打数は115(7/25までの安打数)+67=182本となります。同様に1番打者として出場し続けた場合と4番打者として出場し続けた場合の安打数、本塁打数を計算してみました。結果を表4に示します。
本塁打数に大きな差はなかったものの、今回の検証では1番と3番間で約3本、1番と4番間で約5本、安打数に差が出る結果となりました。

盗塁機会にどの程度差があるのか

 次に盗塁について考えてみましょう。山田は今シーズンここまで17個の盗塁を決めていますが、その内訳はすべて二塁への盗塁でした。二塁への盗塁は自らが一塁に出塁した際、二塁に走者がいない場合に試みることが出来ます。
つまり盗塁は出塁時の塁状況に影響を受けます。そこで、上記のシミュレーションで「山田が一塁に出塁し、かつ二盗が可能な場面(=二盗機会)」がどの程度発生していたか調べてみました。集計結果を表5に示します。

 この結果から安打数や本塁打数の予測時と同様、各打順の二盗機会が1番打者時と比べどの程度の比率で発生するかを求め、残りの54試合を3番打者として消化した際、盗塁をいくつ積み上げることができるか計算してみましょう。

まず3番打者として54試合に出場した際「無死一塁」の二盗機会が何度発生するかを計算します。

今季山田は1番打者として起用された68試合で、「無死一塁」の二盗機会が27回ありました。1番打者として出場時は、1試合あたり0.40回無死一塁の二盗機会を得ていたことになります。

今後3番打者として残りの54試合を消化すると仮定した場合、0.40(1番打者として起用された際の1試合当たりの無死一塁の二盗機会)×0.345(1番打者として出場した場合と比較した際どの程度無死一塁の二盗機会が回ってくるか ※表6より)×54(残り試合)≒7.4回の無死一塁の二盗機会を得られることになります。

次に今季ここまでの成績を用いて残り54試合で無死一塁時に成功させる盗塁数を求めましょう。今シーズン山田は無死一塁の二盗機会に34回置かれ8回盗塁を企図しそのうちの7度を成功させています。よって成功させる盗塁数は

7.4×8/34(盗塁企図/「無死一塁」二盗機会)×7/8(盗塁成功率)≒1.52個

となります。同様にして他の二盗機会・打順についても計算を行ってみました。結果を表7に、また各打順で2015シーズン終了時まで残り試合を出続けた場合の盗塁数予測を表8に示します。

今回行った予測方法では上位の打順ほどより多くの盗塁数が見込まれましたが、いずれの打順でも30盗塁には届かないという結果が出ました。

あらためて打順別の安打数、本塁打数、盗塁数の予測値を見てみると、残り54試合でもどの打順で出場するかによって期待される記録がわずかに異なっていることが確認できます。
今回の予測はいずれも今シーズンのここまでの成績が継続するものとして算出しているため、今後の成績によっても期待できる記録は変化してきます。