TODAY'S HOT
  • 1980年4月20日 ソレイタ(日本ハム)が1試合最多本塁打(=4)を達成。 (vs.南海)
  • 1999年4月20日 イチロー(オリックス)が通算1000安打を達成。 (vs.日本ハム)
  • 1999年4月20日 五十嵐亮太(ヤクルト)がプロ初登板を記録。(vs.中日)
  • 1980年4月20日 ソレイタ(日本ハム)が1試合最多打点(=10)を達成。 (vs.南海)
コラム COLUMN

得失点差1位なのに負け越し!?広島の現状を探る! タイムリーdata vol.37

小林 展久

 優勝候補と目されていた広島が苦しんでいます。3月31日から4月7日にかけて7連敗を喫し、最下位に転落。その後6連勝もありましたが、なかなか勝率5割のラインに乗ることができていません。ですが、目下得失点差はリーグ1位の34。チームが明らかな不振であるともいえないのです。ここでピタゴラス勝率と呼ばれる、得点と失点によって導き出され、実際の勝率との相関係数が0.920と強い相関関係を持つ指標を出してみると、広島は同勝率で.633と非常に高いものが出ています。当記事では、ここまでの広島の戦いぶりを検証していきます。(※文章・表中の数字は全て5月19日終了時点)

安定した投手陣

 広島はリーグ1位の防御率を誇るチームです。先発陣はエース・前田健太や新外国人のジョンソンを筆頭に、安定して試合をつくり続けています。昨季の守護神・ミコライオが移籍し、中田廉が故障で離脱中の救援陣も防御率はリーグ3位。彼らの力が、失点の少ない試合運びを可能としています。

僅差の試合が多い広島の戦いぶり

 投手陣が安定しているため、打線が大量点を取った試合はそのまま勝利しており、大敗はほとんどありません。しかし、今季の広島は大量点差がついた試合より、僅差の試合が大半を占めており、それらの試合の勝率が良くないのです。1点差の敗戦のうち、5試合は0-1での敗戦。これがリーグ1位の得失点差にも関わらず、結果につながっていない要因といえるでしょう。

勝負所で力を発揮できない打線

 僅差の試合で勝てない原因は、打線に求めることができます。広島の1試合平均得点はリーグ2位で決して低くはありませんが、緊迫した場面ではその力を発揮しきれていません。特に試合終盤の1点を争うシーンでは打線が沈黙。ここまで広島は6回終了時にリードしていない場合は0勝で、今季6度あった延長戦は無得点のまま全て敗戦しています。逆転する力に欠けるため、リーグで唯一救援陣が未勝利のチームでもあります。

 5月19日の中日戦でも、再三チャンスをつくりながら追いつくことができず敗れた広島。チームの浮上には、終盤1点がほしい局面で打線が機能することが必要となってくるでしょう。なお、過去10年間でピタゴラス勝率と実際の勝率の差が1割を超えた例はありません。広島の勝率がピタゴラス勝率に近づいてくるのか、それとも得失点差が減りピタゴラス勝率の方が実際の勝率に近づいてくるのか。広島の成績に今後も注目です。