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コラム COLUMN

プロ野球観客動員リポート ファンを惹き付ける5つの要素

佐々木 浩哉

 記録の残る1950年、プロ野球の観客動員は年間421万人、1試合平均で4323人という規模で開催されていました。時を経ること60年余年、プロ野球は年間で観客動員数2200万人を超える規模に成長しました。長い歴史の中で観客動員は右肩上がりに成長を続け、2004年には2445万人に達します。

 順調に数字を伸ばしてきたプロ野球でしたが、2005年に約450万人減という前例のない規模の落ち込みを経験します。これには2つの要因が絡んでいると考えられます。2004年に起こった球界再編騒動の余波、そして観客動員数の実数発表への移行です。それまでの観客動員数は実際にカウントされた数字ではなく、概数で発表されていました。現在の観客動員数も厳密には実数ではないとのことですが、限りなく近しい数字を計上することで実態に沿った形で発表を行っています。

 2014年の観客動員数は2286万人でした。2005年以降では最多となる数字で、実質的にプロ野球の歴史上最高規模の観客動員を達成しています。

伸びる観客動員率

 期間を2010年から2014年までの直近5年間に絞り、開催地を本拠地球場に限定して数字を見ていきます。この5年間で、セ・リーグは年間約36万人、パ・リーグは約39万人観客が増えました。2011年、12年と停滞の兆しを見せていましたが、続く2年間で盛り返しています。

 近年は客席の総数を減らし、顧客満足度の高い高単価の座席を設置することが施設管理のトレンドとなっています。座席の面積を広げてゆったりと観戦できるシートや、試合を見ながらバーベキューができる団体用スペースなどがその代表例です。2010年から14年までの期間に座席数を減らす改修を行った球団は6球団に上りました。結果的に観客動員数は一時停滞しましたが、最大観客収容数に対する動員率は順調に伸びています。

 また、一部球団ではダイナミックプライシングと呼ばれるチケット価格の管理・調整を実施しています。これは対戦カード等の諸条件によって各シートのチケット価格を上げ下げし、観客数と収入の最適なバランスを求めるマーケティング手法です。客入りがあまり見込めない日でも、柔軟にチケット価格を調整することでより多くの観客を獲得しようというアプローチです。球場の改修がハード面の集客策とすれば、チケット価格の調整はソフト面における集客策の一環といえるでしょう。

チーム別観客動員率

 球団別の動員率を見ると、トップの“入り”だったのが甲子園を本拠地とする阪神でした。人気と伝統を兼ね備えた球団だけあって、常に8割がたスタンドが埋まる盛況ぶりを見せています。過去5年間で年間動員率が8割を下回ったのは2011年だけという人気の高さでした。

 パ・リーグのトップは79%を記録したソフトバンクです。直近3年間の動員率では阪神の83%を上回る90%で、今最もチケットの取りにくい球団となっています。ヤフオクドームだけでなく博多の街をシンボルカラーに染める「鷹の祭典」を行うなど、大規模なキャンペーンを仕掛ける積極的な営業姿勢が功を奏しているのかもしれません。もちろん、過去5年で2度の日本一に輝いたチーム力の高さも球団の大きな魅力となっています。

 阪神に次ぐセ・リーグ2位だった巨人ですが、ここ3年間で着実に動員率を伸ばしています(2012年/78%→13年/81%→14年/82%)。また、過去5年間において試合単位の動員率で5割を下回ったことがないのは巨人だけでした。

 「カープ女子」や2年連続Aクラス入りなどで注目を浴びている広島は、この1年でぐっと数字を伸ばしてきました(2013年/67%→14年/82%)。黒田博樹の復帰もあり、優勝候補の一角として期待される今季はさらなる動員率の向上も予想されます。

観客動員率を左右する要素

 各球団はファンを球場に呼び込むために、あらゆる面で努力を続けています。そうした企業努力の一方で、どうしても球団側でコントロールしきれない動員率の変動要因が存在します。どのような試合はお客さんが入りやすく、どのような試合はお客さんが入りにくいのでしょうか。2010年から14年までの本拠地球場で実施された3893試合のデータを対象に、様々な要素がどのように影響しているかを検証しました。

 検証の結果、観客動員に影響を与えているとみなせる要素は5つ挙げられました。まず、最も強力に影響を及ぼしているのがカレンダー上の問題でした。プロ野球チームにとって休日は最高のドル箱で、平日との動員率の差は全球団の平均で17%に及びました。球団によっては30%を超える動員率の上昇を記録したケースも見られました。球団は客足のよい休日よりも、平日をターゲットに営業コストを掛ける方が有効かもしれません。

 続いて強い影響が見られたのが、巨人、阪神、広島といった人気球団を対戦相手に招いたカードでした。動員率の差分は9%で、おおよそ休日の半分程度の動員率向上が見込めます。対戦相手による動員率の変化は球団間で若干の差があり、特定の組み合わせが人気を博したカードもありました。上記の3球団はどこの本拠地であっても、まずまず高い反応が見込めます。

 ホームチームが好調だと、やはり客足にも影響します。AクラスとBクラスの間に生まれる差は8%でした。休日開催や特定球団との対戦機会は上限がありますが、チームの順位は常について回るもの。開幕直後からシーズン終了までAクラスをキープすれば、本拠地開催の60~70試合で動員率の底上げを期待できることになります。

 一方、ビジターチームの順位の影響は限定的でした。Aクラスのチームが相手でもBクラスのチームでも差は3%。とはいえ、4万人収容のスタジアムと仮定した場合に1200人の出足に影響すると考えれば、営業的に無視できない範囲の影響と言えます。

 そしてもちろん、屋根の無い球場で雨が降ると動員率の引き下げ要因となります。ただしマイナス6%という数字に、意外の感を抱かれる方も少なくないかもしれません。客足の期待できない大雨のようなケースはそもそも試合自体が中止となる可能性が高く、試合を行える範疇の雨量であればチケット購入者の足を引きとめる力が弱い、といったことが可能性として考えられます。実際、「休日に開催される人気球団との上位対決」などのプレミアムの高いカードでは、たとえ屋外の雨天でも客足が下がりにくい、という傾向がありました。反面、プレミアムの低いカードにおいて、雨天は動員率の重要な引き下げ要因となります。

 各地でオープン戦が本格的に始まり、開幕が待ち遠しい季節になりました。今年もたくさんの声援に沸き立ち、盛り上がるプロ野球界に期待したいと思います。