TODAY'S HOT
  • 2011年4月22日 ヤクルトが3試合連続完封勝利を達成。 (vs.広島)
  • 2000年4月22日 江藤智(巨人)が通算250本塁打を達成。 (vs.広島)
コラム COLUMN

日本シリーズ開幕。大隣憲司はゴメスを仕留められるか? タイムリーdata vol.3

佐々木 浩哉

 2014年日本シリーズが始まりました。今回の「タイムリーdata」では、今シリーズの注目のマッチアップとしてソフトバンクの大隣憲司と阪神のゴメスによる対戦に注目したいと思います。難病を克服してチームの救世主となった左腕と、来日1年目から猛虎打線の主軸に君臨した助っ人大砲。シリーズの行方にも関わるであろう投打のマッチアップを、一足早くデータで予習しましょう。

ゴメスが抱える強みと弱み

 まずはゴメスのデータから見ていきます。今季のゴメスは左腕に対してレギュラーシーズンで打率.284、本塁打4本を記録しました。右腕から22本塁打したことを考えると一発がかなり少ないようにも思えますが、これは対戦機会に差があった(右投手との打席数:476/同左投手:140)影響で、本塁打ペースが極端に低いわけではありませんでした。仮に右腕と同じ打席機会を得た場合、およそ14本前後の本塁打を放つ計算です。少なくとも今季の成績を見る限り、投手の左右で結果が大きく変わってしまうタイプではないようです。


 上の図は、左腕と対戦する中でゴメスが記録した本塁打と三振のゾーンをマッピングしたものです(9分割はストライクゾーン/センター方向から見た図)。一見して明らかなように、左右に並べた図にはっきりとした違いを見ることができます。すなわち、本塁打は甘く入った真ん中の高さ。三振は低めの変化球、それもボールゾーンに集中しているということです。やはり追い込んでからいかにして低めの変化球で勝負できるか、あるいは勝負球からの逆算でカウントを組み立てていけるかが問われることになりそうです。


 また、高めボールゾーンへのストレート(つり球)に対してイメージほどには積極的に手を出さず、出しても最低限バットに当てていること。内角に入ってくる変化球を2本スタンドに叩き込んでいることなどが、この図からうかがうことができます。ちなみに、この2球はいずれもスライダーでした。

決め球の存在と内角のリスク

 対する大隣は右打者にどのようなアプローチを取っているでしょうか。ここでは、ファイナルステージで登板した2試合のデータから配球の傾向を見ていきます。このステージで、大隣が右打者に対して投じた球種はストレート、スライダー、チェンジアップ、カーブの4球種でした。右のマッピングを見ると、球種によってコースの傾向がよく表れていることに気が付きます。大隣の場合、球種とコースは基本的にセットとなっているようです。ストレートは外寄り真ん中から高めのコースが中心。内はスライダー、そして外から低めはチェンジアップ。右打者から見て逃げながら沈んでいくこのチェンジアップは、ゴメスのバットに空を切らせるキラーボールとなる可能性が高いと言えるでしょう。


 反対に、リスクの高い球種となりそうなのがスライダーです。大隣は特にボール先行カウントのケースで内角へスライダーを投じてカウントを取りに行く傾向があり、これが先述のゴメスの傾向と相まって手痛い一打となる懸念があります。同じ内角スライダーでもひざ元の厳しいコースを突くなど、慎重さが求められます。

「逆球」の少なさ

 大隣の球種・コースにこうした偏りが見られるのは、総じて安定したコントロールの賜物です。7月の復帰直後から正確無比と形容していい制球力を見せていて、捕手の構えと反対のコースに抜ける「逆球」の少なさは今季のリーグトップでした。ストレートの球速は130キロ台中盤と目を引く数字ではありませんが、狙った所に投げ込めるピンポイントの制球力が大隣の復活劇を支えていたことは間違いありません。


 決め球となりうる低めチェンジアップと、リスクをはらんだ内角スライダー。大隣とゴメスのマッチアップは、このふたつのボールをどのように配していくかが、勝負のカギを握ることになりそうです。