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  • 2005年4月24日 古田敦也(ヤクルト)が通算2000安打を達成。 (vs.広島)
  • 1999年4月24日 金本知憲(広島)がサイクルヒットを達成。 (vs.中日)
  • 1954年4月24日 田中文雄(近鉄パールス)が1試合最少投球数(=68)を達成。 (vs.南海)
コラム COLUMN

外国人選手に強いプレミア12代表打者を探る タイムリーdata vol.63

小林 展久

 11月8~21日にかけて、第1回WBSC世界野球プレミア12が行われます。侍ジャパンは2013年以降10勝5敗。敗れた試合は、いずれも3得点以下に終わっています。今回は大会を制するカギは侍ジャパンの得点力にあるとして、10月9日に発表された代表選手たちのデータを紹介していこうと思います。(※データは2015年レギュラーシーズン終了時点)

対外国人投手にめっぽう強い柳田

 まず過去3年間のNPBに所属する外国人投手(ここでは韓国、台湾など東アジアの選手は除外しています)に対する成績を表にまとめてみました。今季のセ・リーグだけを見ても、最優秀防御率の広島・ジョンソン、最高勝率の巨人・マイコラスなど、NPBには優れた外国人投手が多数所属しており、代表選手たちも彼らには苦戦気味。そんな中で今季トリプルスリーを達成したソフトバンク・柳田悠岐の成績は突出しています。自身初の打撃タイトルである首位打者と最高出塁率も獲得した柳田は、間違いなく今大会のキーマンの1人となるはずです。

190センチ以上の選手に対する打力は?

 国際試合では、見知らぬ選手との対戦の連続となるでしょう。ここからは外国人選手の特徴と思われる要素をいくつか挙げて、それに対する結果を紹介していきます。

 まずは、190センチ以上の投手に対する成績を見てみましょう。この点においては、西武・中村剛也とDeNA・筒香嘉智が上々の成績。代表経験がなく、体調にもやや不安のある中村ですが、出場すれば筒香とともに大きな力となりそうです。逆に主砲の1人として活躍が期待される日本ハム・中田翔は、高身長の選手に対して結果を出せていません。

“動く速球”への成績

 WBCなどの大会で日本代表が苦しめられた球種、それはシュート(ツーシームを含む)に代表される“動く速球”ではないでしょうか。この球種は、NPB平均の打率が3割を超えるなどヒットを放つことに関しては難しくないのですが、打球がゴロになる割合は61%と最もゴロになりやすい球種ということもあって、苦戦する印象が強いのかもしれません。
 このシュートに対しては、日本ハム・中島卓也は4割近い打率を残しています。同球種を多投する投手に対しても、持ち味である粘りのあるバッティングを見せてくれそうです。侍ジャパンの多くが好相性となっていますが、セ・リーグ首位打者のヤクルト・川端慎吾はこの球種に対してあまり結果を残していません。

剛速球に強さを発揮するトリプルスリーコンビと松田

 最後に150キロ以上の投球に対する打撃成績を挙げます。スピードボールに対しては、柳田とセ・リーグの本塁打王、ヤクルト・山田哲人の強さが光ります。もう1人の注目選手は、ソフトバンク・松田宣浩でしょう。打率.225はNPB平均より低いですが、長打率は山田を上回る数値を誇り、速球派に対しては期待を寄せていいかもしれません。一方で筒香と中日・平田良介は150キロ以上の球に対して、極端に低い数値となっています。

 安定した投手力が武器の侍ジャパンですが、今大会は野手陣の爆発にも大いに期待したいところ。好調なシーズンを送ったというだけではなく、外国人投手への対応力で選手起用を考えてみるのも、代表戦の楽しみ方の1つかもしれません。そこで今回取り上げたデータなどを考慮して、独断と偏見でスタメンを組んでみました。小久保監督が実際にどの選手をどこの打順、守備位置で起用するか注目していきましょう。