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コラム COLUMN

山田、柳田よりすごい!? 史上4人目の記録を狙う内川は、打率3割を達成できるか タイムリーdata vol.60

多田 周平

 9月17日に、パ・リーグ史上最速で優勝を決めたソフトバンク。投打に申し分ない陣容をそろえ、特に攻撃陣では柳田悠岐李大浩松田宣浩の30発トリオの活躍が目立ちました。さらに4番に固定された内川聖一が、チームトップタイの勝利打点をマーク。慣れない打順に苦しみながらも、試合を決める一打を多く放って貢献してきました。

 そんな内川ですが、ここまで打率は.285。昨季まで7年連続で打率3割を達成しているだけに、少しさびしい数字に映ってしまいます。ここからの打率3割は達成可能なのか、また打率3割の連続達成のすごさについて、あらためて振り返りたいと思います。

史上8人しかクリアしていない「7年連続打率3割」

 昨季まででシーズン打率3割を7回以上達成した選手は、内川を含めて35人。これだけでもすごい記録ですが、それを途切れることなく7年連続でマークしている選手となると、一気に8人まで絞られます。そして現在もさらなる更新の可能性を秘めているのが内川なのです。

 今季も達成すれば8年連続となり、これは川上哲治、王貞治、張本勲とそうそうたるメンバーに肩を並べる数字で、右打者では史上初の快挙。あの大打者・落合博満をもしのぐ記録となるのです。

右打者史上初の快挙は達成可能なのか?

 内川の現在の打率は、冒頭の表にあるように.285。ここから「.300」に挽回できるかを考えてみましょう。

 内川は今季125試合の出場で打数は488。これまでのペースでいくとして、残りの13試合は52打数と仮定します。
 となるとシーズン打数は540。「.300」を達成するには540×0.2995=161.73安打、つまり162安打以上が求められます。内川は現在139安打を放っているので、「残り13試合で23安打」が必要となります。
 もちろんそれをもしのぐハイペースで打ちまくれば、23安打の必要はありません。今日から11打数連続でヒットを打てば3割に到達。毎試合猛打賞であれば4~5試合で達成可能です。

苦しんでたどり着いた2012年


 過去達成した7年の中で、今年のように最後まで苦しんだシーズンがありました。それがソフトバンク移籍2年目の12年。9月20日終了時点で13試合を残していますが、これと同じ「残り13試合時点」という条件での打率を見ると、12年も打率3割以下となっていました。

 この年の内川はシーズン序盤に苦しみました。6月3日に打率3割を下回ると、そこから長らく2割台が続きます。交流戦では打率.198、そして6月は同.128と光明を見いだせませんでした。しかし8月に月間打率4割と息を吹き返すと、9月も好調をキープ。同月29日、ついに打率3割に返り咲くと、10月3日には猛打賞をマークして「確実」に。その後は7打数0安打となりますが、見事な巻き返しでした。

 3年前の例もありますが、今回はその時よりも高いハードル。連続する13試合で23安打を記録したことは、今季一度もありません(22安打はありましたが…)。すでにチームは1位を確定させただけに、ここからは個人のバッティングに徹しても良いでしょう。猛打を発揮して偉業を達成なるか、最後まで見守りたいところです。